はずレールガン

もがくしょうもないオタクの脳内

アリスと蔵六 7話感想

突然ながら観たアニメの感想書き殴りです。

心を動かされたお話を観たときに、たまにやるかも。

 

この作品なかなか好き。

異能の力を持つ、(自我や論理的思考能力が発達しきっていない)子供が現代日本社会に現れたらどうなるか、という仮想実験を真面目にやってるので好感が持てる。

 

そして、そのような仮想実験の類はれっきとしたいちSF作品としてカテゴライズできるだろう。

 

で、7話。

・細部の描写

食事シーン。拘りを感じられてすき。あんかけ料理やシューマイなど、線の色を変えてちゃんと中華料理を描くこだわり。

料理がちゃんと描かれている作品は好感が持てる。(キャベツという前例)

 

キャラクターの服飾。

子供が着ていそうな縞々シャツ+パーカーやワンピースはパステル調の色合い…なんて近所の女の子を見るといてもおかしくなさそうな感じ。しかも日が変わるとちゃんと別の服を着ている。

と同時に、蔵六じいさんが以前買い物にいったときの描写があるので、そこで紗名のために似合う服を用意したんだなぁ…とか色々想像ができる。それか早苗のおさがり?

蔵六さん、結構オシャレなんだよね。仕事柄そういう能力がなくてはやっていけないようなので説得力がある。その歳に似合った暗い色調ながら紺色の差し色加えていたらとか…。そういう大人ファッション描写もちゃんとしてるのも好き。

 

服のプリント「love」「what(だっけ?)」なんかも、もっと上の年になるとダッセー、となるのだけど、10歳ごろの子供が着ているとかわいらしくていいね。

 

・ストーリー

あさひとよなが、なかなか暗いバックボーンを持っている。異能の力に目覚めたのは父の虐待がきっかけなのかな?強いストレスが能力発現のトリガーなのだろうか。

それにしてもあれ見る限りは親殺しということになるのか…?尊属殺人…。

どっちか忘れてしまったけど、片方が姉を演じるために「〜ですわ」のお嬢さま口調になるのは二人は違う人間であるという差別化のためなんだろうな。二人が紗名に謝るシーンではお嬢さま口調も抑え気味で、どっちがどっちの発言なのか曖昧だったし。今後のこの姉妹の行方も気になる。

 

早苗ちゃんも紗名の養子入りのおかげで紗名の姉として成長し始めている様子。

深夜に二人の居間での会話を廊下越しに聞いて、それを聞き流してベランダで一服する蔵六じいさんも、過保護でなくていいな〜。本当に一貫性のある素敵なおじいちゃんだ…。

 

この作品の「能力者たち」の性格というか喋り方は、どことなく現代人のそれと違ってどこか歪なんだけど、それを自然に表現しているのがよい。それだけ一般人サイドの性格が現代人とズレがなく描けているということでもある。

ただ、一条さんだけは例外かな。警察組織側で研究所の関与薄いみたいだし。ただそういう人の方が怖いよね…自分の能力を把握しきっていて、かつれっきとした「大人」。

とはいえ一個人であることに変わりはないので、警察、ひいては国家という巨大な組織に飼いならされてる以上はさして問題はなさそう。いろんな意味で。

 

なかなかにメインキャラそれぞれの行動原理が自然なので楽しく観れる。

現代日本に溶け込む異質な能力を持ったヒト、というシチュエーションではなんとなく「おおかみこどもの雨と雪」を連想するなぁ。こっちはどんな結末を迎えるんだろうか。