レールに乗らざるを得なくなったはずレールガン

1ヶ月くらいの期間でスピード内定を狙う。

「オリエント急行殺人事件」

みにいきました。

 

あぁ〜〜めちゃ良かった。以下、ネタバレはガンガン含む感想です。

推理モノ?探偵モノ?は全くといって観ないし、せいぜい自分の記憶だと逆転裁判くらいしか馴染みがないのだけど…。

 

いい具合に推理成分とドラマ成分が混じり合っていた。

 

終盤、トンネルに乗客全員を集めてポアロが犯人は誰かを問い詰めるシーンは、構図からして、ダヴィンチ「最後の晩餐」のオマージュというか、意図的に被せているんだろう。

絵画において「裏切り者」はいた。が、この映画だと、乗客全員の共謀による殺人であり、一枚岩となっていた、ということもミスリードを誘う演出だったんだろう。

 

アームストロング大佐一家全員を殺害したとされる被害者の男(ジョニーデップ)にたくさんの刺傷痕があったことは、乗客全員がナイフで刺したからだ、ということ、その光景を再現するシーンは、光景の凄惨さに息を呑んだ。

被害者の男の業の深さ、かつて殺されたアームストロング大佐がいかに慕われる人物だったか、乗客全員の団結力、等全てがあの一シーンに込められていて、この光景が目に焼き付いて離れない。

 

主人公のポアロは「人には善か悪かしかない」「殺人は人間の犯すべきことではない、獣の行いだ」等二元論にも近い極論を唱える人物だった。

しかし今回の事件を通じ、その認識を今回限りで改めていた。

その主人公の心情の移り変わりは、温情の精神を思い出したともとれるし、真相解明だけ終わらせて匙を投げたともとれるし、他にも様々な受け取り方ができるかもしれない。

 「人の心の根底は非常に複雑なものだ」とは主人公は述べていたが、これはそのまま主人公ポアロの人となりについても言えるのだと思う。

 

善悪の二元論、そしてそこに人間同士の「情」が入り込む余地があるのか、という人間全体の営みの「正しい行い」「善い行い」がどうあるべきかについても考えさせられるような作品だった。

こういうこと書いてると、まさにそれを主軸において描いている作品…サイコパス観たくなってくる。

 

そして、物語の画作りも非常に見事!

カメラワークの緩急のつけ方、登場人物たちを写す角度など非常にイイ。色合いも見やすくて、かといってビビッドすぎる色合いでなく、自然に、しかしくっきりはっきりとものの輪郭を写す感じで、映像がとても見やすかった。

 

 

ん〜〜イイもの見ましたな!

いわゆる「密室殺人事件」の類いなんだろうけど、ドラマの規模はミクロなのに、それを感じせないスケール感の構成や、作劇がよかった。序盤にエルサレムの街並みを俯瞰的に見せたり、乗客たちは生まれも育ちもバラバラ、だけどアームストロング大佐との恩がある、という一点でつなげている…という構成。良い!

 

 

あ…謎解きの要素については、評価できません。

なぜなら僕は頭が悪い(他意一切ナシにです)ので、物語の登場人物たちの心情の変化や、カメラに映るビジュアルを観ることでいっぱいいっぱいだからです…。

でも、ミスリード要素は「はぁ〜〜そうきたか〜〜」と思わされた。