レールに乗らざるを得なくなったはずレールガン

もがくしょうもないオタクの脳内

嫌にドラマチックな夢の話

シーンは、朗読会の発表会であった。

それぞれ、脚本家、その内容で宛てられた役を演じ読む人(演者)、などがチームの構成者としており、それがいくつもあった。

そして僕は、どうやら脚本担当兼一役者であるらしい。

手元には、僕が描いたとされる台本がある。

内容は、なんかガンダムっぽいもの…

モビルスーツ隊が、敵襲に気づいて発進。そのときの掛け合い」みたいなものだ。(二次創作くさいなぁ)

演出自体は我ながら良いものだと思えたが、話の内容は、要するに「俺たちの戦いはこれからだエンド」の体を成していた。明らかに、時間が足りなかっただろうことが伺えてしまう。

僕のチームの他メンバーは、なぜか会社の上司方であった。

 

 

 

その最中、あるチームの発表のアナウンスで、僕は聞き覚えのある人間の名を、脚本担当で耳にする。

小学校・中学校時代、やや交友関係があった漫画仲間・Iだ。

彼もこの場にいるのか、よし高みの見物をしてやろう、と身構えつつ、その朗読劇を聴く。

 

彼の脚本したドラマ自体は、例えば「ツンデレ」とか、「イケメン系」とかのマンガ的キャラクター演出に行き過ぎているようなきらいがあり、個人的に好む所でないこともあり、少し小恥ずかしさを感じたものの、尺の中ではしっかりまとめられていて、演者達のかけあいはスムーズで、統制がとれていることがよくわかった。

 

そして、他のチームの発表が続く。

その最中、僕はスタンバイ中の舞台裏で、改めて自身のカンペ…つまり台本を見直していた。

台本というには、というより、これで皆と共有するにはあまりにも雑な書き方。

殴り書きの汚い文字で内容が綴られていた。

レイアウトが雑であり、最後のページには僕の女の子のハズカシイラクガキがされていた。

手元には消しゴムもない。僕は、最後のページを前のページで隠したり、とにかくそれが周囲に見られまいか、と気が気でなかった。

 

そして、いよいよ出番がきた。

 

結論から言おう。僕のチームの発表は、最悪であった。

 

他の役者…つまり上司方は、自身なりに抑揚なりつけて話すものの、僕の演技コンセプトと違う。ましてや、読み間違えすらする。

というのは、これは僕の指示書きがあまりにも雑であるからだ。

例えば、余りにも雑な文字で「ケンタウルス」と書いているため、「クンタワルス」と読んでしまう…だとか。そんな具合に、所々読み間違いを頻発させて、劇は進行した。

徐々に、自分の顔から血の気が引いていくのを感じた。

更に、僕が役者として発言するところも、他の人が読んでしまうという事態も。

結果として、僕はその劇中、一度も喋らなかった。舞台の上で、物言わぬ地蔵と化してしまっていた。

 

 

かくして、僕のチームの劇は終わった。

会場は、多いに冷えていたことは、よくわかった。これでもかと分かってしまった。

 

僕は、虚しい気持ちになっていた。

そんな中で、各チームの発表後の次のフェイズ、講評と表彰が行われていた。

表彰で、何らかの部門の最優秀賞をとったのが、先のIのチームであった。

もちろん、会場の拍手に合わせて、僕は拍手をした。気付いたら、涙を流していた。

彼と僕の差。

 

彼は、チームワークが出来ている。仕事ができて、劇を作れている。

比べて、僕のこれは何だ。

個人で書き進めた台本。練習などまるでしなかったことが丸わかりな、演技コンセプトの統一感のないちぐはぐなかけあい。明らかに文脈から浮き出た固有名詞の数々(=読み間違い)。

演者達…上司とのコミュニケーションをとらず、また向こうもこのようなスケジューリングに対し、僕に何も指摘をしてこなかった。

雑で、冷めた制作体制ゆえの失態。あまりにも当然の結果である。

 

 

そのような自責の念、悔恨の念に囚われていると、観客席の一番前にいたある人から、僕に声をかけられた。

「ねぇ、◯◯君あれ頑張ったの?もっと上手くやれたよね。ストーリー全部じゃなくない?観客のいる劇なんだから」というような事を言われた。かなり図星をつかれた指摘である。

これを言ってきた人は、これまた小学校・中学校時代の同級生、Nさんであった。

(女子。彼女とは小学生時代、一時期仲が良かった)

キツイ言葉には感じたが、叱咤激励ではあるようにも思えた。しかし、驚く表情をしてみせるばかりで、何も言葉を返せない。

そこに何故か、Iからも言葉が加わる。

「◯◯君さ、もっといけるって思ってた」というような、先のNさんの台詞と似たようなものだ。

 

僕は、頭にきた。

 

にもかかわらず、同時にそれを抑えてしまった。

 

そこで、大声でこういった。

 

「ああそうだよ!人様に見せるものとして、これはダメだ。だから、本当に申し訳ないという気持ちがあるよ!君(I)にも、あなた(Nさん)にも!云々…でも、とにかく、ご指摘はありがたく受け取るから」

その後、何を言ったかは忘れたが、いきなり、

「Nさん、あなたの夢って何ですか!!」

みたいなことを空元気気味に聞き始めた。

「私の夢は、ナントカと、ナントカと…あとは…」

その後に少しの間があり、彼女は僕の耳を借り、こう言った。(夢の内容を覚えていない)

彼女的に、周囲に聞かれたくないことだったのだろうか。

「教室の隅っこで、おしゃべりしている人かな」

なんでこんなことをひそひそ声で言うんだ。意味が分からなかった。急に僕はおかしくなり、ニヤニヤしながら言葉を返した。

 

「マニアックな夢だな〜〜」

 

ここで目が覚めた。

 

 

夢の中に、未だに中学時代の人たちが出てくるのは、嫌なことである。

過去にとらわれている気がするからだ。

そのような感じ方しか、今の僕にはできない。

 

しかし、この夢にはひとつ、「自分は時間をすすめられている」と自覚できるようなことがあった。

 

それは、実は先のセリフ、「Nさん、あなたの夢って何ですか!」の時、Nさんの名字を一度間違えている。

つまり彼女が「時田さん」としよう。

思わず名前を呼んだ時、「田時さん!あ、時田さん!」と訂正したのだ。

 

ナチュラルに、名前を間違えた。

今の僕にとって、彼女は「すぐには名前を思い出せない程度の人」くらいの立ち位置であるということ。

夢には出てきたが、ほぼ意識としては忘れているということだ。

 

当人にとって不誠実とは思えようが、あくまで僕の自意識の問題としてだ。

 

 

しかし、このような夢を見てしまったあとは、正直なところ、エネルギーをどう発散しようか、分からなくなる。

 

僕の精神状態は、非常に落ち着いているという自覚があった。にも関わらずこのような夢を見るというのは、不健全である。

この事実は、辛い。