【VGC2020】アーマーガアパッチラゴン【S6ランクマ最終54位】
<はじめに>
このアーキタイプは、20.03.01~のランクマッチ(ヒトカゲ系列以外の初代・SM御三家、キョダイラプラス等解禁)環境後ずっと使ってきたものだ。
机上・実戦ともに、随一の高い数値を誇るキョダイラプラス。このポケモンの注目度は、解禁ポケモンの中でも特に高いと感じられた。
僕は、そのキョダイラプラスを「メタる」側に回った。
その筆頭としてすぐに思い浮かんだのが、パッチラゴンだった。
上記の通り、A167珠はりきりパッチラゴンの130ダイサンダーは、474-100(H252ダイマ)ラプラスを確定一発で倒すことができる。
「ヤマはってそれを対策しておけば勝てるだろ」という理屈です。
当時の僕は、
ヤマ=キョダイラプラス、対策=パッチラゴン
という単純な図式から構築を組み始めた。
<個別解説>
〇パッチラゴン
@命の珠/意地っ張り
努力値:H4AS252振り
実数値:166-167-110-×-90-127
(解説)
構築の始点。上からダイサンダーを一発叩き込むだけでキョダイラプラスを倒せるという点は自分にとって大きな魅力であった。またパッチラゴンの性能はそれだけでなく、広い技範囲と高火力という点においても、Sは中途半端ながら使いやすさを感じた。持ち物の命の珠について。もはや解説不要かもだが、ダイマックスエースとして最高頻度で使用するポケモンがパッチラゴンであり、技範囲も広くより高確率かつ高火力を押し付け相手を倒したいため持たせている。
(技)
でんげきくちばし→存在意義。状況によっては先手を打てる見込みが高いと感じた場合ダイマを切らずくちばしを打たせる場面も多々あった。威力は先行くちばし>ダイサンダーであり、わざわざダイマを切らずとも倒したい場合そうする。
はりきり込みではあるが、それでも命中は80あり、ダイマをパッチラゴンに切らなくてもこのPTにはダイマ適正があるポケモンを多く採用している。そのため雑にくちばしを打たせるルートでもリカバリが可能(ラクにできるとは言ってない)。
威力関係が非ダイマ先行くちばし>ダイサンダーというのは、まじで火力意味わからない。等倍以上ならほとんどのポケモンが一撃。そしてその先行くちばしを等倍で耐えてくる環境ポケモンは輝石サマヨくらいだ。サマヨールの耐久も意味が分からない。
ドラゴンクロー→電気ドラゴンの範囲が広くタイプ一致技でもあるため採用。またダイマを切って運用する際、自身に飛んできがちな地面物理技(ドリュウズ、ドサイ、バンバドロ等)もち、もしくは隣に対してダイドラを打ち被ダメを抑える芸当も可能となりかみ合っている。
10まんばりき→つばめがえし(ダイジェット)との選択枠。10万馬力や地震の採用は攻撃範囲がより増えて対面押し切り性能が増す。パッチラゴンのダイマ展開後、S操作はガアの追い風に任せて、自身はひたすら押し切る方面に特化させたかった。
この構築は物理ポケモン採用に偏っているため威嚇ポケモンを呼びやすい。その中でも採用率の高いウインディやガオガエンに一貫しているのが10万馬力(ダイアース)であり、威嚇をもらってもウインディはA-1状態の130ダイアースでH252振りでも確定、H252振りガオガエンは乱数ながら高確率で落とすことができる。
また、ダイマをパッチラゴンにきった場合、ダイドラで相手のAを下げるか、ダイアースでDを上げるかという物理特殊両面でのステータス補強を選択肢に入れられる。そのため殴り合いにおいてのダメージコントロール能力が高い。
まもる
・パッチラゴンでダイマ切らず守る+ガア追い風展開からのダイマ切りで殴るルート
・対トリルの時間稼ぎ
・そもそも、パッチラゴン自体圧力のあるポケモンだ。必然的に狙われがちなので守るでアドを稼げる確率は高い
上記の理由から採用。
〇アーマーガア
@フィラの実/腕白
努力値:116- 84-132- 0- 20-156
実数値:188-118-156-×-108-107
(解説)
PTの盤面コントロール役を担う。パッチラゴンは単体ではバンドリに押し切られがちかつ威嚇ポケモンを呼びやすい。これらへ強いのがアーマーガアだ。
バンドリにはボディプレスが一貫していて、威嚇巻きにはミラーアーマーによりけん制することができる。
またガアは追い風を打つことにより中途半端なパッチラゴンのSを補うことができ、横の並びは非常にかみ合っている。またサイクル戦となったときでもパッチラゴンとアーマーガアの縦相性は非常に良好で、その真価は対トリパにおいて発揮される。(パッチラゴンにとんでくるブリムオンのフェアリー技やドサイの地面技をガア交代により半減や無力化する等)そのような理由から採用。
ガア自身案外圧をかけられるポケモンであり、対トリルの時間稼ぎの観点からいえば守るがほしくなる。パッチラゴンが苦手なまたフェアリーへの打点を高める目的でもアイヘがあれば便利な気がするので、守るとアイヘは欲しいが切っている。技枠が足りないというやつだ。
当初はラムの実を持たせていた。ガア+防塵ゴーグルヒートロトムの並びはバナコータス系をはじめとする晴れ構築には圧倒的な対応能力を有する。
しかし、それ以外の場面でラムの実の発動頻度は高くなく、さらにはバナの眠り粉も当然持ち物が割れていなければロトムに飛ぶ。そうなると、ガアにラムを持たせる意義が薄くなる。
ということから、より場持ちをよくさせるフィラの実を持たせることとした。
ガア自身の耐久は高いいえども、ブレバを打つ機会も多く自身の体力を粗く削っていく為、即時的な回復ができるこの木の実との相性は良いと思える。
<配分調整>
ぶっちゃけS以外の配分はあまり良いものとはいえない気がする。
●A
●H-B
●H-D
FC無補正ロトムの10万ボルト確定耐え
●S
・追い風(S2倍)時最速ドラパルト抜き
(技)
ブレイブバード→高威力のタイプ一致技であるため採用。アーマーガア自身のAこそ高くないが、技の威力が高いため削り性能は高く、十分な威力である。
構築に採用したバンドリに一貫する、ローブシンをはじめとする格闘ポケモンへの打点ともなっている為外せない。
ボディプレス→先も述べた、パッチラゴンが苦手なバンドリへの打点として採用。
一撃で倒せこそしないが、大きく削りを入れた後に砂ドリュウズやスカーフバンギラスで〆る流れも可能。というより、構築がパッチラゴンのお膳立てをすることに注力しているため、自身が苦手な選出に対して取り巻きはとにかく優位を維持できたほうが良いだろうという発想。
ちょうはつ→トリルに弱い構築のため採用。あると便利。この指+サマヨのトリル始動の場合、この指要因を無理やりパッチラゴンでワンパンして挑発を決めるという荒業も可能(合法かわからないムーブだが結構成功していた)。
おいかぜ→先述したように主にパッチラゴンのSを上げる目的。また追い風下からバンドリ展開をした場合の最速すなかきドリュウズ+スカーフバンギという圧倒的な素早さとなる。これはバンドリミラーにおいてアドバンテージがとれて、裏目が非常に少なくなる。
〇バンギラス
@こだわりスカーフ/陽気
努力値:H4AS252振り
実数値:176-186-130-×-120-124
(解説)
ガアパッチラゴンという並びから入ったときにほぼグドスタ的に採用。投入時からスカーフを持ち続けている。
スカバンギ強そうくね?数値高いし上から雪崩怯みワンチャンだし入れ得ぽくないか?というのが正直な理由...
実際バンギのスカーフはまず読まれないため不意の蓄積により勝利を拾えた場面は少なからず存在した。バンギミラーも上から馬鹿力をほぼ確実に叩き込めるため強かったが、今は後発ダイマ構築系に投入される襷バンギも増えてきているためスカーフバンギは不安定感が残る。今となっては正味びみょいバンギラスと化した。技も打ち分けられたほうが強くないか?
(技)
いわなだれ→入れ得。蓄積性能よし。無限の勝ち筋。対晴れ系構築において圧倒的な安定択となる。
かみくだく→貴重なドラパルトへの打点となる。ただ、ドラパと対面してもスカーフを持てども上をとれず、上からダイドラでA下げられた後のかみ砕くは弱いと感じる。ここはイカサマと変更するのもかなりアリと思える。
ばかぢから→広い範囲を殴れる。ミラーにも強い。スカーフと合わせて上から馬鹿力で処理し勝ち筋を拾うという展開は多かった。特にバンドリミラーで大きなアドバンテージ。
ほのおのパンチ→ナットレイが構築単位で重いので採用。ただし4倍弱点いえども物理技で、鉄壁ナットレイへの遂行速度は不安定。かつ拘り持ちの為肝心のナットレイと対面しても他の技でこだわっていて打てない場面がある等、採用する意義が薄いが技枠が空いているため採用している次第。ここはイカサマ等ほかの技に変えるのが良いか。
〇ドリュウズ
@気合の襷/陽気
努力値:H4AS252振り
実数値:186-187-80-×-85-154
(解説)
バンギを採用したから採用(思考停止)。また環境初期時代ドリュウズの技の通りが良く非常に使い勝手が良かった経験もあり信頼していた。...という怪しい採用経緯である。プレイングがある程度雑になっても、またミラーにおいても強気に立ち回れる襷を採用。これはほぼ説明不要か。
(技)
アイアンヘッド→存在意義。パッチラゴンを採用しない選出の場合のフェアリー打点はこれがないと確保できない。
10まんばりき→地震と選択かもだが、隣を巻き込みたくない+打つ場面を用意するのが面倒という理由から馬力。
かわらわり→雪崩でいいかもしれない。物理に固めているためリフレク一回張られるだけでも非常に窮屈となる。またキョダイラプラスが増えることを見越していたための当初から入れていたのがこのかわらわりで、その名残。ダイナックル択があり、かつPT内の物理ATが多めでドリュウズが二番目に早い(砂かきが発動すれば最速)のため、ダイマエースをドリュウズに据えて展開したときのダイナックルはかみ合わせが良い。
守る→トリルを張られた場合に備えてという面が一番大きい。ドリュウズとギャラドスは縦相性が良く、自身に飛ぶ地面技・格闘技をギャラで、ギャラに飛ぶ電気技をドリュウズに...という具合にサイクルを回しつつ守るで時間稼ぎをすることが多かった。
ただし、このドリュウズ自身の耐久値は低く、ダイマックスポケモンの一致弱点技なんかは守っても大ダメージとなりがちであり、慎重な立ち回りを要求された。
〇ギャラドス
@オボンの実/意地っ張り
努力値:H4AS252振り
実数値:171-194-99-×-120-133
(解説)
ガアパッチラゴンバンドリという4匹を考えたときに、地面の一貫性、バンドリの格闘弱点、バンドリミラーへの回答、という課題や不安要素が生まれた。
これらを補う目的でギャラドスを採用。
ダイマエースのような技構成であり、実際ダイマを切らせる展開も多く使う。
性格は当初は陽気だったものの、ギャラにダイマを切らせた場合の火力の不足感があまりにも否めないので意地っ張りに変更。当然ながら、技の威力は高ければ高いほど倍率が増減したときの数値の変動も大きい。1.1倍の差いえども、ダイマックス展開時の技の威力の差は大きく感じた。
これによりS+1で最速ドラパルトを抜けなくなってしまったが、火力上昇の恩恵の方が大きいと感じている。
持ち物は未だに正解が分かっていないが、非ダイマでサイクルを回すこともありオボンの実を持たせている。
(技)
たきのぼり→バンドリに一貫。ダイストリームで天候変化要素もあり。
とびはねる→格闘への打点。トリル構築に対しての時間稼ぎ。ギャラのダイマ展開ルートの場合、ダイジェットによるS操作はいわずもがな強い。
パワーウィップ→バンドリガアは水ロトムに対して不利で、ましてやギャラドスも弱点を突かれる。その水ロトムへの打点として採用。水ロトムは実は構築単位で重くなりがちとなっている。なので、ギャラのウィップやパッチラゴンがいなければキツい。
守る→サイクル回しに使える。トリル下の時間稼ぎ。
〇ロトム(ヒート)
@防塵ゴーグル/控え目
努力値:252- 0- 4 -124-116- 12
実数値:157-×-128-155-142-108
(解説)3月からの環境はバナも増えるだろうということで、バナ+コータスへの回答もあるべきと考えた。そこで採用しているのがこの防塵ゴーグルヒートロトムだ。
コータスの技はすべて半減以下、ゴーグルのお陰でバナに至っても眠り粉は無効と、とても強気に立ち回ることができる。
また、構築単位でナットレイが重めであり、このポケモンを採用しなければキツい。
<配分調整>
・C
H252振り無補正コータスを10万ボルトで確定2発
・S
同PT内ガア+1かつ追い風(S2倍)時最速ドラパルト抜き
あまりは晴れ構築の特殊に厚くするためHDに割いている
(技)
10まんボルト→キッスやコータス等、有利とれる相手への安定した削り技となる。
オーバーヒート→バナやナットレイに。
おにび→他の技との選択という感は否めないが、トリルドサイドンも構築単位で重く、ましてやヒートロトム自身弱点を突かれてしまう。時間稼ぎの観点でドサイドンの火力を削いでトリル切れを狙う目的から採用。しかし、使用頻度はあまり高くない。
サイドチェンジ→アーマーガアの追い風展開を作る際、ガア+ヒートロトムの並びで、ロトムがサイチェンをすることでガアに飛んでくる電気技や炎技を半減しながらガアは追い風を打つことができる。一番の採用理由はここである。
<選出>
アーマーガアは9割9分選出します。
基本選出
先発
後発
選出時間切れになってもこの4体となる。単体性能の高さで押すイメージ。
vsバンドリ入り
先発
後発+何か
ドリュウズはあわよくば相手バンギの砂おこしで砂かきただ乗りが狙える。相手も同じ発想でドリュウズピン選出に対してもガアギャラと非常に厚い取り巻きのため非常に有利。
vs晴れ
先発
後発
・炎打点に対して半減3体。先に述べたように防塵ゴーグルロトムが真価を発揮し、非常に動きやすくなる。炎弱点のガアの引き先はバンギだったり、単体炎技を打ってきそうな場合サイチェンで逸らすこともできる(これはキョダイリザのゴクエンくらいでレアケースか)。正直まず負けない。
〇vsトリル
先発+基本だが相手によりけり
後発(これも相手に応じて。でなくの場合もあり)
・立ち回りに依存するところが大きいが縦相性良好の並びのためうまく時間を稼いでからのダイマパッチラゴンorギャラ展開で巻き返すのが主なルート。もちろんガアの挑発でトリルを防ぐ展開から入れればかなり勝利が期待できる。
<総括>
・強かった所
単体性能の高いポケモン達を詰め込めたかなという所。
もちろん一番のダイマエースはパッチラゴンだが、他のポケモンでダイマックスさせる展開もとれるため、案外アドリブが効きやすい。ダイマ適正のあるポケモンが多く詰め込まれている。
・弱かった所
ガアパッチラゴンの並びがドラパに対して安定しない。
猫+トリル要員(主にサマヨ)の並びに対してはどうしてもトリルを許してしまう。もちろんその保険としてサイクル回せる構築になってはいるが、トリルドサイはじめ、トリルアシレーヌ等トリルエースにはしのぎ切れないほどきついポケモンが多い。
極端な話、立ち回りによる比重が大きくなってしまったかもしれない。
またバンドリの枠は変えてもいいかもしれない。これがPTが物理に偏る要因となっている。
以上です!!
御覧いただきありがとうございました。
構築記事書いたの、なんと4年半ぶりくらいかもしれない..........
5月シーズンの最終戦、自分39位VS相手37位で、9時を跨いで対戦していた。
プレミを重ねつつも大きすぎる運でカバーすることで、あとはパッチラゴンが技を当てれば勝ちという所まできたが、最後の最後に技を外して負け。確率の収束と、自分の至らなさを大きく痛感した。これにより、目標としていた30以内には至らず、54位という結果に終わった。
しかしながら、8世代の最終順位の最高記録は更新できました。このこと自体は喜ばしい。
でも悔しかった~~~~><><><><><><><><
皆でポケモン楽しんでこう!!!!