はずレールガン

もがくしょうもないオタクの脳内

還暦祝いがあった。

僕の両親のだ。

 

両親は同じ代の生まれである。

 

その企画立案は、姉からであった。

 

6月下旬。下準備として、プレゼントを吟味した。

そのとき、買い物に姉と合流した。

 

そのときの僕は、ポケモンのことばかりを考えていた。

だから、それ以外のことに時間を使いたくはなかった。

 

だから、余計なことに時間を使われて、萎えるという心持でいた。

不機嫌だった。

 

幼稚だと思う。

「忙しいのに時間割いてここにきてやってるんだよ僕は。お金も多く出してるしいいだろ。」

こんなことは言ってない。でも、明らかにそんな態度を出してしまった。

「ほんとにちゃんと考えて言ってる?早く決めることばっか考えてない?」

 

物事の決断に際して、何も考えずにただ終わらせることだけを考える。

仕事においても、そういう場面があったことを指摘されたし、そうなってしまっている自分に嫌気が指すときもあった。

 

こんなときにも言われるのかよ。

そう思った。

 

翌日、調整がてらランクマッチにたくさん潜った。

でも、たくさん敗北をした。それで、大いに絶望した。

 

日本代表決定大会のオンライン予選は、そんな心持だったから、ろくに試合消化をしなかった。事実、途中の段階でも、やはりそこそこ負けてしまった。

 

でも、試合消化をしきらなかった。

これが一番よくない所だったのかもしれない。

 

仕事を挟んでいる時期だった。

だから、時間が足りなかったことは事実だ。

それでも、その程度の心持だったのだ。

 

それで、はっきりと思った。

「仕事をしていること、それで時間がないことを、言い訳にしている」と。

じゃあ、言い訳をできない状況にするにはどうすればいいのか?と。

時間をつくるにはどうすればいいのか?と。

それが、仕事を辞めるという考えだった。

 

●還暦パーティー

カップルが、とても入念な下調べをしたおかげで、本当に円滑にことは進んだ。

僕は、ただ出資をしただけ。

祝う身分ではある。が、長男としてはっきりとした物言いを決められたわけではなかった。

「えーと、おめでとう」

こんな程度しか、会食では言えなかったのだ。

 

家族について、父母について、感謝がないわけじゃない。考えがないわけじゃない。

でも、本当に自分のことしか、今、考えられていない。

それがはっきりとわかってしまった。

 

それとも、場慣れしていないのかな。

気持ちが入っていないのかな。

そういうこともあると思う。仕事をしているわけじゃない。

だから、発言の場面では適当でもいいや、と思ってしまっている。

 

家族の場では、最年少だから。

だから、甘えが出てしまう。

 

最年少といっても、僕はもう25になってしまった。

皆、年を取ったことがわかった。集合写真をみても、それはよくわかった。

 

こんなこと、去年も思ったよ。

姉も従妹も、伴侶を見つけた。

 

そういう存在のいない僕は、なんかやたら子供っぽく思えた。

未だに、自分の自意識の範疇でしか悩まない。

 

もっとわかりやすく言うと、結局、「僕って何者なんだ。何になりたいんだ」このことでばかり悩む。

今、ここにいることに悩むこともある。

でも...

 

こういう思いとは別に、その場の女将さんの、多分僕よりいくつか下くらいの人だが、その立ち振る舞いのときおりのぎこちなさと洗練された仕草の塩梅に、内心かなり胸をうたれた。

そういう風に、自分のことで頭をいっぱいに悩ませつつ、異性への欲求は一人前にもっている。

 

ほんとに僕は大人なのか?