2021/01/05 『悪童日記』
ブックオフで古本あさりをしていてつい購入。20%引きだったので200円そこらで中古で買えた。
MOTHER3にハマっていた14年程前。
リュカとクラウス、二人の兄弟の名前の由来は、同作からだと聞いていた。
また、この作品は、おどろおどろしい描写が続く作品だ、という評をネットでみていた。
まだ読み中で、今日から読んでいるくらいなのだが、それはその通りだと思う。
同作の主人公『ぼくら』兄弟は、行動にためらいがない。
というより、そう見える記述をしている。
というのも、「日記」という描写体を成しているからだ。
作中、『ぼくら』が文章の記述について「客観的に書く」ことを徹底するシーンがある。
これがそのまま、この作品のテイストになっている。
全て、「ぼくら」の見た聞いたことの記述の域を出ない。
AがBした。結果、どうなった。
もちろん、そんな単純な文章の連続ではないのだが、このような記述の連続からでも、『ぼくら』の異常性と容赦のなさが垣間見える。
そして、『ぼくら』の内面は決して描写されない。そのため、このことが解釈の想像を膨らませる。
というのが、100ページほど読んだ時点での感想。
それにしても、日記という体でワンシーンワンシーンで区切りつつも、しっかりとストーリーそのものは進行しているのでテンポがとてもよい。すらすらと読める。
そのような、読み手にとって読みやすい工夫というのが、まさにプロフェッショナルを感じさせるし、それこそ文芸であるとも実感する。