イデオン劇場版 接触篇の感想
<接触編>
サブタイトルに「接触」とあるように、それぞれのキャラクター、陣営のコンタクト=接触する描写に重きを置いているように思えた。
地球人とバッフクラン人の接触に始まり、
ベスとカララ、モエラとラポー、シェリルとギジェ、等…
こういった人間たちの「接触」が、イデの導きの元に引き寄せられ、そしてそれらが善い行いとして人類全体にフィードバックさせられるか、そういうことをイデは見ているぞ、という導入に始まる作品だと思った。
ので、物語前半のテーマを描く一本の作品としては、駆け足ながらもよくまとまってるなぁ。
にしても駆け足ってところがちょっとキツイ。ぼーっと見てると展開すぐ進んでる。
劇場版、TV版を観た人でないと混乱する所ありそう。
特に人間関係の進行はTV版の方が尺が取れていただけに良い「間」やかけ合いが描かれているからとても入り込めた。時間をかけること大事ね。
まだ一作しか観ていないのでなんともだけど、3部作ならこの辺の問題解決できそうなのになぁ、とか思った。けどまぁ、これはたんなるユーザーの勝手な理想なだけで、現実としてはかけられるコストなんかにも制約があるから二部構成なんだよね、きっと。
あとはやはり、新規作画部分の美麗さがとても目にとまる。
劇場画面用に大きい紙に描いている?(事情よく知らない)からか、線も細くなっていて、その分画面の情報量が増えてステキ。
メカ作画もそうなんだけど、個人的にバッフクランのキャラクター作画の美しさに目を引かれる。
というか主にカララ、ハルル、ギジェのことなんだけど。
顔の輪郭がシャープで掘りも深いから、陰影をつけたときの立体感が映える。
それで顔立ちの美しさが引き立つ。
カララのキャラデザインすごいすき。めちゃ美人。地球側で用意したんだっけ、ヒラヒラの私服とかもちょっと色味変えたり細部変えるだけで全然今でも通用しそうなオシャレデザインだと思う。
そんなカララ、劇場版ではソロシップクルーに監禁された際、侍女をロッタに即死させられ、更にソロシップクルー達から死んじゃえ、などと罵詈雑言を飛ばされる。この辺りの改変はTV版以上に過酷。そもそもが本国でも軍部総司令の娘の一人という、政治的にも重要な立ち位置の人間として運命を背負わされているのに、こういう身の上を考えると吐き気がする。
だからこそ余計にか、カララという女性のたくましさが引き立つ。
そしてメカ作画。TV版でも十二分に魅力的だったけど、新規画で動くイデオンのスケール感がとてもイイ…。SEやイデオンの動かし方諸々の要素があってこそ、このメカがまさしく「巨神」として動いているのがよく伝わってくる。
四肢を自在に動かして縦横無尽に戦場を駆ける、とかそういうタイプでないのがむしろいいのかもしれない。
というわけで、近々発動篇の感想も書きなぐります。