はずレールガン

もがくしょうもないオタクの脳内

勉強 4

僕より頭一つ、ふたつくらい背の小さな後輩。

彼が、自分の背丈で届かないほどの高さの、天井近くの棚の扉を開けようとした。

届かないものだから、椅子の上に立ち、それを開けようとしていた。

 

僕は、そんな彼の様子を見て、内心「ちっちゃくて、かわいいな」と思った。

しかし、このような感受性は、愚かだ。

 

そんな後輩の様子を見た上司は、彼が倒れないようにと、近寄ったときに椅子を抑えた。

 

その様子を横目に見た僕は、デスクワークを再開した。

 

…その後、彼が開けようとしていた扉に手をかけた。

僕ならば、難なく手が届いた。

であれば、さっき、あの場面で、すぐに自分が開ければ良かったのだ。

「届かないんだね。僕がとるから」

こう言って、自ら動くことすら出来ない。しない。

 

僕は…そんなに気の回らない人間だったか?

自分が嫌になった。

 

届かない彼の様子を見て、面白がるほどではないものの、微笑ましく思うだけとか、手を差し伸べさえしないのは…

自分が唾棄したいと思う、『誰か一人を貶し嘲笑する対象とし、大勢の笑いを買う』、いわゆるテレビバラエティ的感性に通ずる所があるようにすら感じた。

寒気がする。その感性は、蛮人のものだ。

 

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p93まで

 

ITパスポート、システムやその政策工程、セキュリティ云々の勉強かと思いきや、

会社の構造、仕組み、といった資本主義社会における組織運営の話を広く掘り下げるものだった。

 

僕は、経営学部の学生だった。

そのため、今の勉強内容は、かなり身に馴染みがある。

 

ITパスポートの勉強は、かなり為になる。

そして、僕くらいの年代は、皆持っておいていいんでないかというくらい、普遍的な知識体系が凝縮されている。

…というより、日常的に何らかのニュースメディアに触れて、その内容を理解できていれば、基本的に馴染みのある言葉たちが出てきている。

 

勉強をするという行為は、やはり大変である。けど、面白いとは思う。

 

 

 

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SHIROBAKO、相変わらず面白いなぁ。

11話くらいまでみた。

 

誰もが、今この場に居続けていいか揺れる。

そして、実際に行動に移す者もいる。つまり、離職である。

 

人と人って、利害の絡む場において、やっぱり関係性はすごく取り留めのないものだ。

どんなに通じ合っている、運命共同体だと思っていても、ふとした拍子に、そこを離れようとか思っていたりする。

そんなの、見抜けない。

 

夢だとか目標だとか、一言でいえても、

「じゃあそれをするのに必要なことは?」

「もっと具体的に言えば、それを果たして何になりたい?」…噛み砕いていくと、またも分からなくなる。

それでも、時間は流れるし、皆、手を動かしている。

だから、自分も動くしかない。だけど、思考が追いつかない。

 

結局、どこまで言っても、究極的には、意思だとかなんだとかっていうのは、揺れるものなのだろうか。

愚直である勇気と、敢えての視野の狭さは、必要である気がする。そして、それに騙されてやろう…という度量の大きさ、潔さ。

何を手に入れたいんだ。何を失いたくないんだ。

 

SHIROBAKO、単にアニメのお仕事を描く…というだけでなく、

「憧れからその業界に入ってもなお、現実に忙殺され、具体性に欠ける自身の想いにもぶつかり、揺れる」という、業界人として抱えそうな内面を描いている。だから、普通に「お仕事もの」としての面白さを、とても感じる。

普遍的な、「ここでやっていけるのかな?」「私の夢は、何だったろう?」という迷いを描いている。

 

みゃーもり頑張れ。僕も頑張る。

 

そう思える作品。

…いいわ!!