はずレールガン

もがくしょうもないオタクの脳内

無限のリヴァイアス 芸コマ/好きなカット #1

キャプをまとめていて芸コマだとか好きだと感じたカットの解説をしていきます。

 

f:id:nagisaseer:20200806220549j:plain

昴治が特急『柴又』に乗車、あおいと鉢合わせするシーン。その会話劇の最中、

地味に切り替わる車窓の電子広告ポップ。広告類はフェードインで切り替わる。

時に2225年。紙媒体を削減する省資源化、省スペース化の着実な進歩があるようだ。

f:id:nagisaseer:20200806221033j:plain

マジで嫌そうな表情をする昴治。そしてそんな昴治のリアクションは慣れっことばかりにあっけらかんとした表情のあおい。とっても対照的。

表情の差が楽しい。昴治は、「たじたじ」って具合の表情が本当に似合う。

とっても良き。

 

f:id:nagisaseer:20200806221242p:plain

平井横顔昴治。

立体的な造形を感じられて好き。特に眼の描き方。

かなり写実寄りであり、このようなカットからも無限のリヴァイアスという作品の方向性はうかがい知れる。

理屈はともかく、リアル調だけど絶妙な塩梅でキャラクターとして描くこういう描き方が大好きなのだ!

 

f:id:nagisaseer:20200806221551p:plain

意味が分かると怖い類のモニター表示。

練習用ポッド12番機、信号途絶=「LOST」を示している。つまり、12番機はぶっ壊れた。

画面下方は高温高重力が支配するゲドゥルトのただ中であり、12番機はその中に巻き込まれて圧潰という有様だ。

これは有人機の話である。

つまり、12番機のパイロットはその暑さと空間そのものに押しつぶされて命を散らすこととなってしまった。

...これ、練習生の死亡事故です。昴治は「あちゃー」みたいな流し方していたから軽い感じだけど、正直もっと「おおごと」だよね。ここの描写は正直ちょい違和感(イクミのリアクション含め)。描写したいのが「ゲドゥルトという空間の恐ろしさの説明」に比重を置いているが為にこうなったのだろう。

 

f:id:nagisaseer:20200806222123p:plain

 

f:id:nagisaseer:20200806222158p:plain

カード型ディスプレイ。リーベデルタ内の端末にプラグを差し込むことでデータリンクし情報を表示する。瞬時に情報を把握することもできるし、さらにプラグ部のケーブルは巻き取り式ととってもスマートな構造になっている。

二枚目のカットは、あおい達に逃げ先を振り返りざまに指示しつつ同デバイスのケーブルを引き戻すという結構イカす芸当をしている。

 

 

f:id:nagisaseer:20200806222633p:plain

ネーヤが現れるカット。構図的にもかなり凝っている。

ここは、ネーヤが神出鬼没の存在、リヴァイアス内ならばどこにでも姿を現す神秘性をも表現するカットであると同時に、画面にリーベデルタ内を移動する職員たちを移すことで、「大人たちは学生たちの救援に向かっている」ことを同時に表現している。

キャラ表現と行間表現を同時に行う、効率のいい一カットというわけだ。こうやってじっくり見返すでもしなきゃ気づかないけど。

まあでも、見返したときに描いているものが案外色々あるんだなって気づける作品って大抵熱がこもっていたりする「良い作品」だと思うのです!!

 

f:id:nagisaseer:20200806223235p:plain

祐希初登場カット。すんげーいい表情。不貞腐れ具合がイカす。

クサっててもカッコイイのは、イケメンならでは。

個人的な持論なのだが、影を2段階でつけているカットは大抵「勝負カット」だと思っている。それは、キャラクターの印象を強調するために用いる...はずだ。

 

無限のリヴァイアス、実は全編通して作画監督平井久司氏が位置しているのは第一話のみ。なので、言ってはなんだが、キャラデザ本人が作監を務める1話のカットたちが一番「っぽさ」を感じるのだ。

 

 

どうでもいいけど、僕ほんと作品を語るとき演出論とか設定面とかそういう方面で語るときが一番よく書けることに気づいた。どういうことかというと、作品を批評することが全くできない人間だということだ。俯瞰的に作品をみるのが全く持って苦手である。

なので、ディテールに着目するような見方をするのが自分にとって一番精神衛生的に健全である。

早い話が、ファン目線でしかものを語れない人間という事だ。