片寄涼太特集について/キャラ売出しのメカニズム
片寄涼太特集をみてみた
●視聴動機:インターネッツで知り合った10代(だと思う)の女の子に僕の描いたキャラクターをみせてみた。本人はかっこいいとは思うが推せるほどではないとの評。タイプでないということか。そこで当人のタイプを聞いた所、一人に上記の人物(片寄涼太)が挙げられた。「王子様感」が好きということだった。
ひとくくりに、「10代女子の好きっぽいものはどんなか」というカテゴライズは、人の好みをカテゴライズして感受性を蔑ろにする節があるようで、少し後ろめたい部分はあるのだが、「一例として、こんな好みがある」という一つのパターンとして、片寄涼太特集を視聴してみた。
●動画の構成
・ダンスをする①講義を交えて
・ダンスをする②実演、キレッキレ
→制服コーデから秋らしい、アースカラー主体の大人感のあるジャケットスタイルに
→踊ったときになびくジャケットが動きを演出するぜ。
・ピアノを弾く
→芸を披露。上手さをアピール。とみせかけてちょっとミスする。
→人間アピ。かわいいアピ。周囲の「こういう風にノれ!」という声にも応えるサービス精神。
→「ギャグ線」あるぞ。すてきな笑顔だぞ。
・「距離感の近すぎる女はNG」を語る。
→真面目な貞操観念にキュン♡女性陣から賞賛をうける演出。
・「お手々キレイだね」→大きなお手々を披露する
→大久保佳世子、涼太くんとお手手合わせ。
「イケメン王子とまさかのスキンシップをする冴えない私」系演出。
・持ち歌とグラビアっぽいシーン集。いろんな涼太くんの一面がみれるぞ!
→いろんな笑顔、たくさん食べる君がすき、いろんな事をする涼太くん
~FIN~
なんというか、「好きにさせる存在としてのアイドル」というわけだ。
別に全く否定のニュアンスがあるわけではない。
僕の考察。
●第一印象、ダイナミックに(キレッキレのダンス)
●笑顔!!
●簡単には落ちないぜ!な俺様(遠回しの「好きになったら君に一筋」を想起させる)
●オフのときの一面、ギャップ萌え
というもの。
これらが揃えば、好きになるだろ!!
という具体。
これらの魅力の描写に、大前提で、「ルックスが『好きになれる域』に達している」がある
いわゆる「※ただしイケメンに限る」とは近いがまた別で、
たとえば社会人がよくいわれる、身だしなみは清潔に等をクリアーしているか、その上級版のようなものと思っている。
「この人は好きになれる人だ」という部分をクリアさえすれば、
当人が魅力的な行動をとればプラスに傾き、そのプラスの積み重ねで「好き♡」の感情ができあがるというメカニズムだ。
というかこれ、男性アイドルを好きになるプロセスというよりかは、
一個人(キャラクター)を押し出して好きになってもらう『キャラクター商法』の分析にも近しくなってしまった。
まあでも、得られるものはあった。
自分が、男性キャラクターを魅力的に描写しようとした場合、
描写プロセスの原則を踏まえれば、好きになってほしいユーザーには好きになってもらえる可能性が上がるのではないか、ということだ。
以上。
余談だが、この「好きになってもらうプロセス」の踏まえ方は、対象人物(キャラクター)の性別・更に言えば人間であるか否かも問わないものだと思っている。
だから、個々人の「好き」のなり方の違いだけなので…
何を言いたいかというと、男性アイドルを好きになる女性、女性アイドルを好きになる男性、この精神的図式は同様のものなのではないかということ、また、同じような心象の動きを見られるくらいには、男女の精神的差異は昨今そうないのではないかという所感がある。
これはいいことだと思う。
なぜなら、「男性ならこれが好き」「女性ならこれが好き」というパッケージングを崩すきっかけたりえると思うからだ。脱線するのでこの辺で。